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平成22年度 旭川市大雪クリスタルホール自主文化事業 オペラ「唱歌の学校」旭川公演

◇日時◇ 01/29(土) 18:30開演
◇会場◇ 旭川大雪クリスタルホール  旭川市神楽3条7丁目

平成22年度 旭川市大雪クリスタルホール自主文化事業

オペラ「唱歌の学校」旭川公演
 

      

              画像は主催者の許可をえて、そのリーフレットを掲載しました。 

 

6年1組の新学期
イギリスから転校生がやってきた
歌を通して子供たちの交流が生まれた
楽しく1年が過ぎ、やがて別れの春がくる・・・

 

  • 日時:2008年5月16日(金)14:30~ 
  • ところ:旭川大雪クリスタルホール
  • 主催:旭川市大雪クリスタルホール
  • チケット:一般3000円、シルバー、ハートフル2500円、学生1500円
  •  問合せ:旭川大雪クリスタルホール Tel.0166-69-2000
  • 札幌室内歌劇場事務局 Tel. 011-211-0471 Fax. 011-211-0472

 

  ■出演
  • 浅里先生/浅里慎也
  • ちか子/渡辺ちか
  • しょう子/窪田晶子
  • しぶ子/成田潤子
  • とき子/時岡牧子
  • まさと/則竹正人
  • ちか子の母/萩原のり子
  • しょう子の母/石田まり子
  • 転校生キャサリン/百島吾弥子
  • キャサリンの母/遊佐悦子
  • キャサリンの父/橋本卓三

 

  ■室内楽
  • フルート・ピッコロ/蠣崎路子
  • ヴァイオリン/富岡雅美
  • チェロ/川崎昌子
  • ピアノ/土屋益子

 

  ■スタッフ
  • 音楽監督/岩河智子
  • 演出/中津邦仁
  • 舞台監督/坂本由希子
  • 照明/吉田茂夫 
  • ヘアメイク/藤原得代
  • 衣装・映像操作/住吉アキヨ

 

  ■曲目一覧(作詞/作曲)
 
港(籏野十一郎/吉田信太),ふじの山(巌谷小波),隣組(岡本一平/飯田信夫),見渡せば(柴田清煕・稲垣千頴/ルソー),羽衣(葛原/梁田貞),羽衣(林柳波/橋本国彦),雀の学校(清水かつら/広田竜太郎),あんたがたどこさ(不詳),うつくしき(稲垣千頴/スコットランド民謡),故郷の空(大和田建樹/スコットランド民謡),思い出(古関吉雄/イングランド民謡),散歩唱歌(大和田建樹/多梅稚),春が来た(高野辰之/岡野貞一),春の小川(高野辰之/岡野貞一),かたつむり(不詳),七夕さま(不詳),ウミ(林柳波/井上武士),虫の声(不詳),つき(不詳),冬の星座(堀内敬三/ヘイス),お正月(東くめ/滝廉太郎),一月一日(千家尊福/上真行),雪(不詳),子守唄(不詳),うれしいひな祭り(サトウハチロ-/河村光陽),故郷をはなるる歌(喜丸一昌/ドイツ民謡),仰げば尊し(不詳),Auld lang syne (スコットランド民謡),埴生の宿(里見義/ビショップ)
 

 

  ■.「唱歌の学校」ものがたり
 
 【授業参観】
小学校6年1組、浅里学級の朝。今日は授業参観日。生徒たちは元気に歌い、お母さんたちもやってくる。
授業はまず国語の時間。まさとが浅里先生と一緒に「見渡せば」を朗読する。次に学級委員長のちか子が「羽衣」を歌う。するとちか子の母も、つられて歌い始める。最初は驚いていた生徒たちは、次第にちか子の母の歌に喝采。浅里先生は次の音楽の時間の授業で、ちか子の母に生徒たちの歌の指導をまかせ、「すずめの学校」
が始る。
 
【転校生】
 ちか子の母が得意気に指導していると、どこからか歌声が聞こえる。いぶかしむ生徒たちの前に、転校生キャサリンと両親が現れる。驚く生徒たちは「あんたがたどこさ」を歌う。キャサリンの母マーガレットが自分の故郷スコットランドの歌「The Blue-bells of Scoland」を披露すると、しょう子の母が立ち上がり「美しき」を歌う。皆、その歌が同じ旋律、つまりスコットランドの曲に日本語の歌詞をつけたものだと知る。さらに父ハサウェイ氏が「Comin Thro’ The Rye」を歌うと、それも日本語の歌詞がつけられていて故郷の空となっていると知る。そして、まさとがお返しにと歌う「思い出」という歌も、キャサリンが知っている「Long, Long ago,」と同じ旋律だとわかる・・・
 
【楽しい日々】
 キャサリンを交えての学級生活。「散歩唱歌」に始まり、4月「春が来た」、5月「春の小川」、6月「かたつむり」、7月「七夕さま」、8月「うみ」、9月「虫の声」、10月「月」、11月「冬の星座」、12月「お正月」、1月「一月一日」、2月「雪」・・・楽しく美しい月日は巡る。
 
【授業参観】
そして3月別れのとき、卒業式にやってくる親たちは子供を思い「子守歌」を、子供たちは「ひな祭り」を歌う。
学校の鐘が鳴り、卒業生たちがやってくる。「故郷をはなるる歌」そして「仰げば尊し」が歌われる。別れがたい思いに、キャサリンが「Auld Lang Syne」を歌い、皆を励ます。子供も大人も小学校での思い出を胸に、それぞれの道をたどり去って行く。
 

 

【作品解説】「唱歌」でこしらえた新しいオペラ
 
12年前、だれでも知っている童謡や唱歌を使って音楽のドラマを作り、それにスト-リーをつけてオペラが作れないかと思いました。聞き覚えのあるメロディ-をたどりながら音楽に身を任せる楽しさを沢山の人に味わってほしいと思ったのです。
 
「唱歌」とは、明治時代、文明開化の流れを受けて、文部省が日本の子供たちに西洋音楽を学ばせるために作り始めたものですが、取り上げられている曲の移り変わりをみるととても面白い。最初期は、越天楽の節を使った「南朝五忠臣」のような「雅楽調」。次に外国の曲に日本の詩をあてはめた「和洋折衷型」。たとえばフランスのルソ-の曲(むすんでひらいて、として有名)に古今集の歌詞をのせた「見渡せば」やスコットランド民謡の恋のざれ歌にしみじみとした秋の詩をつけた「故郷の空」。子供たちは初めて耳にする外国の音の連なりと、少し難しい歌詞に戸惑いつつも、たどたどしく歌っていたのでしょう。
 
そして時代を経て、ようやく詩・曲とも日本人の手による作品が生まれます。「花咲爺」「うさぎとかめ」など日本の昔話に取材したもの、「春が来た」「七夕様」「お正月」など四季折々の日本の風物や子供たちを取り巻く景色を歌ったもの・・。旋律も歌詞も単純で解りやすく、子供たちはこんどこそ大きな声で楽しく歌ったことでしょう。
 
そんな唱歌の歴史の中で、私は和洋折衷型のタイプに特に興味を持ちました。もともと日本の曲であると錯覚してしまうくらい歌詞がしっくりと当てはめられていること。そして、イギリス、特にスコットランドの曲が多いこと。日本人とイギリス人が実際言葉を交わして親しくなるより、ずっと前から子供たちは歌を通してイギリスの人たちと仲良くなっていたのだと思いました。そしてあれこれ空想を広げ、日本の小学校にイギリス人の女の子が転校してきて、みんなと共通のメロディ-を歌いながら友達になってゆくというスト-リーを思いつき、オペラ「唱歌の学校」ができました。
 
もともとは小学生でも歌える唱歌の旋律ですが、そこはオペラのアンサンブルで鍛えた札幌室内歌劇場の演奏家たち、かなり手の込んだ編曲を抜群の表現力で演じます。
“あれまつむしがないている・・・”で始まる「虫の声」は、11人の歌手が11通りの旋律「すぃっちょん」「チンチロリン」などを同時に歌い交わすマドリガル風、虫の大合唱として。それから“あんたがたどこさ”が、ウエストサイドスト-リーの「クール」の旋律と重ね合わせて、緊迫したシーンとして演じるし、さらに“ちいちいぱっぱ”と歌う童謡「すずめの学校」は、オペラ歌手ならではのベルカント唱法の発声練習にしてしまうのです。
 
多彩に生まれ変わった唱歌の織りなすドラマに、たっぷりと身を浸して、思いっきり笑って、そしてちょつとポロリとして・・・。オペラの楽しさ、そしてなにより日本の唱歌の素晴らしさを感じていただければ、作者としてこんな嬉しいことはありません。
                                     作曲家 岩河智子

 

 
 
 
 
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