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まずは音楽、お次は言葉

◇日時◇ 1993/9/12,14 開演
◇会場◇ 札幌教育文化会館小ホ-ル
札幌室内歌劇場第8回公演
「オピ-ツィオ伯爵の多忙な一日」
 
「バスティアンとバスティエンヌ」
W.A.モ-ツァルト/作曲、岩河智子・青木爽/訳詞
 
「まずは音楽、お次は言葉」
A.サリエリ/作曲、岩河智子/訳詞
 
 第8回オペラ公演は「オピ-ツィオ伯爵の多忙な一日」と題して、「バスティアンとバスティエンヌ」「まずは音楽、お次は言葉」の2本立てをご覧いただきます。
-ツァルトの「バスティアンとバスティエンヌ」は素朴なオペラですが、美しい旋律にあふれ、愛すべき作品といえます。一方、サリエリの「まずは音楽、お次は言葉」はオペラつくりの舞台裏を描いた作品で、現代にも通じる音楽家達のわがままな様子や、駆け引きが自嘲的に語られます。
 札幌室内歌劇場はサリエリの作品の仕組に注目し、明快なスト--を持つ「バスティアンとバスティエンヌ」を劇中劇にすることで、全体としてふくらみのある作品にすることを考えました。
 台詞、伴奏付台詞(レシタティ-ボ)、訳詞の歌、原語の歌、といろいろな要素がまじりあうオペラになりましたが、違和感なく楽しんでいただけると思います。
 
 
 

「まずは音楽、お次は言葉」再演履歴

1.1993/9/12,14 札幌、札幌教育文化会館小ホール、札幌室内歌劇場第8回公演「オピ
 -ツィオ伯爵の多忙な一日」より
2.2004/9/24-26 札幌、ポルトホール、札幌室内歌劇場第30回公演「バスティアンとバス
 ティアンヌ」「まずは音楽、お次は言葉」
 

初演記録

  • 日時:
   1993912日(日)1400開演
   1993914日(火)1830開演
  • ところ:札幌市教育文化会館小ホ-ル(地下鉄東西線西11丁目下車)
  • 料金:前売3,500円、当日3,000
  • 主催:札幌室内歌劇場
  • 後援:札幌市、札幌市教育委員会、北海道新聞社、音楽家協会、北海道二期会、札幌モ-ツァルト協会、道銀文化財団
  • Special Thanks:札幌大谷短期大学、札幌大谷高校、ひかり幼稚園、東京衣装、ため楽器

 「バスティアンとバスティエンヌ」

出演
  • 伯爵邸の使用人演じるところの、バスティアン/石田まり子(Mezz
  • 伯爵邸の小間使い演じるところの、バスティエンヌ/時岡牧子(Sop
  • オピ-ツィオ伯爵演じるところの、コラ/石鍋多加史(Bar
  • 楽士(ピアノ)/須藤尚美

 「まずは音楽、お次は言葉」

出演
  • 伯爵お抱えの作曲家/則竹正人(Bar
  • 御領主お抱えの詩人/浅里慎也(Ten・客演)
  • オペラセリアのプリマドンナ、エレオノーラ/遊佐悦子(Mezz
  • オペラブッファのプリマドンナ、トニーナ/萩原徳子(Sop
  • 楽士(ピアノ)/辻井美菜子
  • 楽士(チェンバロ)/岩河智子

 スタッフ

  • 音楽監督・編曲/岩河智子
  • 台本/P..S(札幌室内歌劇場)
  • 演出/中津邦仁
  • 美術/三宅景子
  • 照明/吉田茂夫(ライズ)
  • 舞台監督/月居卓司
  • メイク指導/袖岡得代
  • チェンバロ提供/中西礼治
  • 宣伝美術/寺田きよみ(オフィスジャック)

 「まずはモ-ツァルト、お次はサリエリ」

 今回の上演では、サリエリが創作した「オピ-ツィオ伯爵」にも登場願い、魔法使のコラを演じていただくことにいたしました。二つの作品が、劇中劇という仕掛けで一つになります。モ-ツァルト没後201年目の和解です。
 
オピ-ツィオ伯爵邸の一室では、朝から舞台の準備でおおわらわである。というのも、オペラマニアの伯爵がオペラを鑑賞するだけでは飽き足らなくなり、自分で演じてみようと言い始めたからである。
演目は、W..-ツァルト作「バスティアンとバスティエンヌ」。伯爵をその中の魔法使のコラを演じ、恋人の浮気に悩む村娘バスティエンヌとその恋人バスティアンは彼の使用人に演じさせることにしている。伯爵のお抱え作曲家も今日は裏方に回り、詩人ピアニストらと共に準備を手伝っている。ぎりぎりまで楽譜を手に台詞の稽古と暗譜に励むオピ-ツィオ伯爵と、隠れて戯れている使用人達。準備も整い、客人を案内かる作曲家の声が聞こえる・・・ 
 

バスティアンとバスティエンヌ(1768年)

神童モーツァルト、12歳の時のパストラ-レ(牧歌劇)風作品。ジングシュ-ピ-ル(歌芝居)の形式で書かれ、アリアや重唱を台詞で繋ぎつつ話が展開します。登場人物は魔法使いのコラ、恋人の浮気に悩むバスティエンヌ、その恋人バスティアン。恋人同士の仲をコラが魔法の力で取り持つという単純なストーリーですが、音楽は純粋な美しさを持ち、現在も広く親しまれています。また、後年のモーツァルトオペラの魅力を予感させる作品です。
 このオペラには、台詞の部分にも音楽が付けられている「レチタティ-ヴォ版」もあります。しかし、今回は敢えてジングシュ-ピ-ル版を採用しました。古典劇などの詩劇風でもなく、歌舞伎風や新劇風でもない。オペラ=音楽と共存する台詞のあり方を探ってみたいと考えています。
 

まずは音楽、お次は言葉(1786年)

 モーツァルトのライバルとして有名なA.サリエリの作品。モーツァルトの「劇場支配人」との競演で上演され、当時はモーツァルト以上に評価されていました。
オペラ好きのオピ-ツィオ伯爵の命令で四日間でオペラを作ることになったお抱えの作曲家が、詩人と共に伯爵ご推薦のシリアスなオペラを得意とするソプラノ歌手、エレオノ-ラと詩人パトロンが推薦するコミカルなオペラを得意とするソプラノ歌手、トニ-ナが交互に訪ねてきては事態を混乱させます。しかし、最後には皆の協力でオペラが仕上がりことを喜び合うという物語で、音楽家たちの舞台裏を見せるような話です。

 

 
 
 
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