エヴゲニ-・オネ-ギン
◇日時◇ |
1992/9/7,8
開演
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◇会場◇ |
札幌教育文化会館小ホ-ル
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第702回札幌市民劇場/札幌室内歌劇場第6回公演 「エヴゲニ-・オネ-ギン」~ある青春の情景~ 原作/アレキサンドル・S・プ-シキン、作曲/ピョ-トル・I・チャイコフスキ-、 訳詞・編曲/岩河智子、演出/中津邦仁 「エヴゲニー・オネーギン」再演履歴1.1992/9/7,8 札幌、札幌教育文化会館小ホール、第702回札幌市民劇場/札幌室内歌劇場第6回公演「エヴゲニー・オネーギン」 札幌市民芸術祭大賞受賞 初演記録 1992年9月7日(日)18:30開演 1992年9月8日(月)18:30開演 - ところ:札幌市教育文化会館小ホ-ル(地下鉄東西線西11丁目下車)
- 主催:札幌市民芸術祭実行委員会、札幌市、(財)札幌市教育文化財団
- 主管:札幌室内歌劇場
- 後援:札幌市教育委員会、北海道二期会、音楽家協会、北海道新聞社
■出演・声楽- 女地主ラ-リナ/時岡牧子(Sop)
- 長女タチアナ/萩原徳子(Sop)
- 次女オルガ/石田まり子(Mezz)
- 乳母フィリッピェ-ヴナ/遊佐悦子(Mezz)
- 若き貴族オネ-ギン/則竹正人(Bar)
- オルガの恋人レンスキ-/市川和彦(Ten・賛助出演)
- 老いた侯爵グレ-ミン/中川晴夫(Bar・賛助出演)
- ラ-リン家の客トリケ/石鍋多加史(Bar)
- 決闘の立会人ザレツキ-/石鍋多加史(Bar)
- 合唱/一鉄久美子、伊藤亜紀、大屋三千世、加藤幸恵、竹谷久聖子、鶴田喜実恵、浜野美紀、林靖子、平塚さおり、南出薫
■出演・室内楽アンサンブル- フル-ト/山崎衆(札幌交響楽団)
- オ-ボエ/高井明(札幌交響楽団)
- ヴァイオリン/富岡雅美
- チェロ/森田香織
- ピアノ/納谷雪子、須藤尚美
■スタッフ- 音楽監督・編曲/岩河智子
- 演出/中津邦仁
- 舞台監督/山田かおり
- 照明/吉田茂夫(ライズ)
- 衣装/千歳員子
- メイク/袖岡得代
- 美術/芸術本舗「文殊」&中津邦仁
- 宣伝美術/寺田喜代美
- 写真/高橋写真館
- VTR/札幌ヴィデオセンタ-
- 印刷/サンコ-コビ-ショップ
■Special Thanks野谷恵、伊藤礼子、太田泰子、替地恵美、北沢百世、高聡子、笹谷美希、寺師美弥子、中原聡章、畠山晶子、畠山智英、三坂由紀、山口裕子、山辺千鶴 ■今回の上演について 今回札幌室内歌劇場が取り上げましたのは、来年没後100周年を迎えるチャイコフスキ-作曲のオペラ「エヴゲニ-・オネ-ギン」です。これは、当時人気の高かったロシアの文豪プ-シキンの韻分詩をもとに作られたものです。ところが、この作品はそれまでの多くのオペラの原作と異なり、起伏にとんだドラマティックなスト-リ-ではないため、多くの人がチャイコフスキ-のこのオペラを否定しました。チャイコフスキ-はそれに対抗し、「エヴゲニ-・オネ-ギン」をオペラとは呼ばず、「叙情的情景」と名付けました。これは、作品の中にドラマティックな事件を見るのではなく、人間個々の心のあやを見ようとする、歌劇としては新しい傾向を出現させるきっかけとなりました。 札幌室内歌劇場では「エヴゲニ-・オネ-ギン」を3人の若者の情景として捕らえ、各幕ごとに一人ずつ、その内面を表すように考えました。あらすじにありますように、プロロ-グ後の第一幕はタチアナの失恋の物語であり、第二幕はレンスキ-の激情、大三幕はタチアナやレンスキ-に非人間的に接してきたオネ-ギンが、初めて人間的な感情に目覚めると同時に悲しみを味わう物語という構成です。 このオペラは、多くの場合写実的なグランドオペラとして上演されますが、札幌室内歌劇場では全体の構成と要素を端的に表してゆくために象徴的な場面処理を織り交ぜながら、簡素な舞台で上演することにいたしました。そういった方針のもと、連日の稽古で私達が感じたのは、作品の良さはもちろんのこと、このオペラの人の心を描いた繊細な魅力です。また、ロシア人的な強い声でなければ上演できない等という芸術的でない先入観も再検討しなければならないと感じました。私達の上演が、オペラ「エヴゲニ-・オネ-ギン」の魅力を再発見しポピュラ-なものにする契機になればと思います。 小劇団である札幌室内歌劇場の利点を生かして作り上げました本日の繊細な舞台をどうぞごゆっくりお楽しみください。
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