piccola: 2011年11月アーカイブ

オホーツクの・・・!

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《札幌啓北商業定時制の「オホーツクのわらすっこ」は1966年の高校演劇コンクール全国大会で最優秀賞を取ります~》
これは11月5日の北海道新聞(夕刊)「私のなかの歴史」という欄に掲載されていた記事。
「オホーツクのわらすっこ」
なんだかこの演目に記憶がある。
続きを読み進める。
《~「わらすっこ」はオホーツクの漁村の貧しい母子家庭で、定時制高校に進学したい中3の玄一と妹を中心に書いたんです~》
思い出しました!大学生の時、この演劇をやったことがあったのでした。
 
大学は教育学部だったので、どのような名称の講義だったかは忘れてしまったのですが、
取得単位に”特別学習”とか“課外活動”のような文化祭や部活動の発表を指導するための必修科目がありました。
いろいろな学科、学年の学生が入り混じる講義で、理系・文系に関係なくいくつかのグループを作り、演劇を上演するというもの。
そのときの題材がこの「オホーツクのわらすっこ」という作品だったのです。
役者をやる学生もいればスタッフになる学生もいる。まずはその役割分担の話し合いから始まるのですが、
その役割分担の講義の日と、外部から依頼されたオペラの公演日が重なってしまい、私は講義を欠席したのです。
どんな役になっても仕方が無い、グループの決めたことに従うしかありません。
そうはいっても欠席した身、それほど重要な役割にはつかないだろう、
いやいやどんな役割でも重要ではあるけれども縁の下の力持ちに回るだろう、と半分願いも込めて思っていたわけです。
翌日。
同じグループの友人から自分の役割を聞いてみると、
「妹役だよ」とあっさり。
まさか・・・役についてしまった・・・
これは当たりくじなのか貧乏くじなのか。どよんとした気持ちになったのは間違いなく。
しかしいやだといったところで仕方が無い、これは話し合いで決まったこと。
第一、教師を目指す人たちの必修科目において「イヤダイヤダ」と駄々をこねたりしたらこれはマズイ。
教師ではなく困った生徒になってしまう。
さてこの日から台本を読み、セリフを覚え、グループのみんなとの練習が開始。
昼休みに配役に付いた他学科の仲間と読みあわせをしたり、衣裳の話し合いをしたり。
細かなことはもはや忘却の彼方ではありますが、同じ台本でありながら各グループの演出の仕方、選ぶ衣裳やセリフの言い方など、
それぞれの解釈と個性が想像以上に光り、最後の発表の日はとても楽しかったのを覚えています。
もちろん自分の発表のときはガチガチに緊張したのですが・・・・それはさておき、
同じ音楽科の学生が他学科の学生と何かを作り上げる姿も非常に新鮮に映りました。
何よりその講義で初めて知り合った人たちと一つのお芝居を作り上げていくことは貴重な経験でした。
それぞれの知識、感性、想像力を出し合いながら、互いに協力してそれらを一つのものに作り上げて行く。
社会生活では大なり小なりこういった場面は必ずあるわけです。
 
彼らのほとんどは卒業後、教師として活躍していることでしょう。
あのときの想像力、個性を生かした舞台づくり。
横並びになりつつある今の教育の中でも生かされていることを願って・・・