長期戦のかくれんぼ

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人はそれを「失くした」あるいは「紛失」といいますが、私には自信があります。
私には3年前に行方不明になった手袋があります。
ミラノへ行った時、モンテナポレオーネ通りのショップで思い切って購入したものです。大好きな赤い色のスエードで、手首の部分に同色のファーがついているデザイン。あれもいいしこれもいいし、でも「すみからすみまで全部包んでちょうだい!」なんてセレブっぽい言葉、とても言えないし・・・と悩んだ末に、焦げちゃうくらい脳裏に焼きついたものを選んだのです。
さてその手袋に実はここ数年お目にかかっていません。購入した年のある日、お気に入りのその手袋をはめて(注:北海道では手袋は“はく”ものです)出かけました。久しぶりに会う知人と食事をしながら楽しいひと時を過ごし、帰ってきて翌日。手袋が無いことに気づいたのです。

おかしい。レストランに置き忘れたつもりはない。家のいつもの場所に置いたはず。間違いなく家の中にある・・・そう!この家のどこかにひっそりと身を隠しているんだ!!

そう確信して今年で3年が経ちました。
この話をすると誰もが「落としたんだよ」とか「無くしたんだよ」と言います。「諦めが悪い」とも。でも私はそのうちどこからかひょっこり出てくると思っています。“そう信じている”などという必死な思いではありません。家のどこかに必ずあるのです。何故って、そういうことになっているのです!私の中では・・・

自分にしかわからない理由なき自信。皆さんにはありませんか?
え?私だけ?