このワインは・・・

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ジョルジュ・デュブッフ・シルーブル 2004

ここに一本のワインがあります。ラベルにはスミレの花とタキシード姿の鳳蘭さん。
昨年紫綬褒章を受章された、鳳蘭さんの受賞記念パーティーでいただいたワインです。

鳳蘭さんといえば宝塚歌劇団のトップスター。と同時にわが札幌室内歌劇場の支持会員様でもあります。ミュージカルをはじめ様々な舞台でご活躍、いつもその存在感に圧倒されます。
とても華のある鳳蘭さん。我が音楽監督が東京で開いているコンサートに幾度もご来場、その時の様子が今でも印象に残っています。
客席に座っている姿。背筋がピンと伸び、熱心に聞き入る様子は凛としていてなんと素敵だったことか!蕾だったカサブランカが、ある日パカッと花開いた時のような華やかさ。そして休憩や終演後のロビーで、コンサートで感銘を受けたことを熱っぽく語って下さいました。もちろん居合わせた人もすぐに気がつき振り返っていましたが、だからといって人目を気にするでもなく、一生懸命話して下さいました。
感動を率直に話される鳳蘭さん。そのまっすぐな眼差しに、正面から役と向き合い、表現し、舞台を全うしているのだなと感じずにはいられませんでした。大きな舞台で主役を任される人のオーラがありました。
いい役者は同時にいい観客であるのかもしれませんね。

そんなことを思い出しながらワインのコルクをポンッと抜きました。
空になるのは時間の問題?