ハリウッドスターさながら・・・

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最近テレビを見ていると、マスコミの欲しいネタと視聴者の知りたいネタは違うのではないかと感じてしまいます。
常々気になるのが、視聴率をネタにすること。高視聴率云々などはテレビ局が目標にしたり、左右されたりする数値であって、視聴者にとっては「ああそうなの。みんな見てたの。」という程度のもの。しかしニュースの芸能コーナーでさえ“このドラマは高視聴率だった!”などとネタにしてしまう。例えばそれがオリンピックや大事件など、いかに国民がその物事に注目したかのバロメーターとして使うのならわかります。しかし自局の番組が高視聴率、すごいですね、なんてニュースで流されたところで、喜んでいるのはあなた達でしょと言いたくなってしまいます。高視聴率ゆえの魅力を伝えてもらうほうがはるかに嬉しい。高視聴率と質の良し悪しは別です。

さて一昨日のホリエモンに対するマスコミの騒ぎ様はいかがなものでしょうか。東京拘置所を出所するホリエモンを捉えようと、マスコミや一般の人がわんさと駆けつけていました。千人を越える人数だったとか。出所が夜になったこともあり、一日がかりで大変だったと語るレポーターいました。でもその大変さは視聴者が望むものなのか?苦労しておさめたその映像は視聴者にとっていかほどのものなのか?
「出所が認められ、荷物をまとめておうちに帰る」。ただそれだけのことだったはずです。大勢の人が駆けつけ、ヘリコプターで追跡までして・・・帰るところは六本木ヒルズの自宅とわかっていながら。結局は「ホリエモンの髪の毛が伸びて少しやせた」それだけではなかったでしょうか。
日々溢れんばかりに流される情報の中で、冷静にならなければならないと思ってしまいます。
出所したからといってホリエモンは決して自由の身になったのではない。容疑はかかっているのだし公判はこれから始まる。そもそもこの事件でどれだけの人たちが混乱したか。株式市場、株主、ライブドア社員、関連企業、某与党などなど、自業自得もあるにせよ、それらの事件はまだまだこれから解決の努力をしなければならないことなのです。被害者が多くいる中で、一昨日のような注目の仕方はある意味ホリエモンをスター化してしまうようで、少し恐ろしい気がしてしまいました。

“出所してみるとそこには人影もなく、閑散としている”
こんな状態だったら、社会からの無言の制裁になったのではないかなぁ・・・