モーツァルトイヤー

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今年はモーツァルト生誕250年。モーツァルトの作品を集めたコンサートやオペラが目白押しの一年です。さてさて・・・

札幌室内歌劇場の今年のオペラ公演はモーツァルト作曲「魔笛」。このモーツァルトイヤーに、オペラに出演するというかたちで彼の作品に触れることができるというのは、とても幸せなことだなと思います。この公演以外にもモーツアルトを歌う機会もあり・・・世界中がことあるごとにモーツァルト。もしモーツァルトが250歳で生きていたら相当に嬉しい一年に違いないでしょう。

250年前の音楽と今の音楽ではあまりにも違います。和声の複雑化、楽器の発達、それに伴う新しい試み・・・また時代の中で音楽の位置づけ、役割も変化しています。この先まだまだ音楽は進化を続けることでしょう。実験のように。
しかしふと立ち止まり、飾りをまとわないシンプルなものに立ち返ってみる。モーツアルトイヤーには、一方でそんな役割があるのかもしれない、とふと思ったのです。
例えばファーストフードに対してスローフードがあるように、また環境問題でエコロジーが見直されたように。
こうしてモーツァルトの音楽に触れる機会の多い一年は貴重ではないかと思います。しかもモーツァルトの音楽は極上の音楽。心地よい響きに触れる時間は、急ぎすぎている毎日を客観的に見つめる時間にもなりうるのかもしれません。