引き算

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足し算があれば引き算がある。
掛け算があれば割り算だってある。
和差積商。誰もが学校で習いました。
なぜ突然こんなことを??
なぜか。それは近頃、足し算することに必死になりすぎているような気がしてならないからなのです。
例えば今一番国際的に問題になっている北朝鮮の核実験問題。それに関連してわが国の政治家が“核を持つ、持たない”との発言をしています。また憲法9条の改正に関する論議。これらに関しては人それぞれ様々な意見があると思います。ただ討論番組を見ていて思うのは、常に足し算の議論が行われているということ。隣国が核やミサイルを持っているから自国も核を持つことで威嚇する。自国を守るためには軍事行動が必要だ、と。きれいごとで済まされない状況があるにせよ、目先のことにあくせくし、そうして足し算一辺倒の議論が繰り返されると、根本を見失ってしまうような気がして、引き返すことが出来ないくらい先に進んでいってしまうのではないかと恐くなってしまいます。足し算のつもりが掛け算になってしまうことだってあるかもしれないのです。
また、健康ブームもそう。○○にはこれがいい、△△にはあれがいい・・・と情報が溢れかえっている昨今。それに左右されてあれもこれもと取り入れていては飽和状態になってしまう。健康のためのつもりが健康を害することになっている現状もあるようで、自分には何が必要かを取捨選択する冷静さが大事なのかもしれません。

一歩一歩前進するということはプラス材料を増やす行為であることは間違いないけれど、時と場合によっては“引き算する”という勇気も必要なのかもしれません。